色彩をデザインする

色彩を体系的に計画する

私たちの身の回りにはたくさんの色があります。例えば太陽を示す赤や黄色は暖かさを感じ、青緑や青などは冷たく感じます。緑や紫などは暖かくも冷たくも感じられる色です。色彩は、調理、衣服、街並み、インテリアデザイン、webデザインなどにも大きな関連があります。居心地のよい色に囲まれて過ごすことは私たちの暮らしを豊かにしてくれます。

日本人が一番好む色は”青”だそうです。

日本人が一番好む色は”青”だそうです。

これまで建築やインテリアの仕事に関わる中で、色の選定や配色については経験や感覚で判断している部分もありましたが、よりよい計画や説明ができるように、文部科学省後援「色彩検定」2級の資格を取得しました。

色彩検定とは

色彩検定は文部科学省が後援する公的資格で、色彩の基礎や配色技法、専門的な分野での活かし方などについて理論的・体系的に幅広く学び、基準以上の知識を得た人にその証明である「級」が与えられます。

検定は3級からあり、2級、1級、UC(ユニバーサル)級があります。3級は初心者向けで色彩の基本事項を学び、2級は実務に応用したい人向けで3級の内容に加えて色のユニバーサルデザイン、照明、配色イメージ、ビジュアル、ファッション、インテリア、景観色彩などを学び、1級は3級・2級の内容に加えて色彩と文化、色彩とビジネス、ファッションビジネスなどへの十分な理解と技能が求められます。UC級は一般社会人、公共、福祉、設計者向けで、色が見える仕組みやユニバーサルデザイン、高齢者の見え方などを学びます。
▶ 色彩検定ホームページ

インテリアスタイルと色彩の例

インテリアスタイルと色彩の例を挙げてみましょう。
■ナチュラル
基本的に壁、床、天井は自然素材の色で仕上げ、床には明るい色調のフローリングを使い、家具は白木やナラ材などを使った直線的なデザインのものを配します。

ナチュラルインテリアの例

ナチュラルインテリアの例

■カジュアル
全体的な色調はナチュラルですが、対比の強いアクセントカラーを配置し、動きのある快活な雰囲気を演出します。インテリア小物などを高彩度のオレンジやグリーン系のアクセントカラーとすると効果的。

カジュアルインテリアの例

カジュアルインテリアの例

■モダン
シャープでクールな都会的スタイル。形態は直線的でシャープなラインで構成。全体の色調は無彩色で明度差のある配色とし、インテリア小物をアクセントとすると効果的です。

モダンインテリアの例

モダンインテリアの例

このほかにも、女性的で優雅なイメージのエレガント、落ち着きがあり中立的なオーソドックス、西洋風の伝統様式を表現するクラシックなどのスタイルが代表的なものになります。

身の回りのものの色彩に着目

インテリアだけでなく、お菓子や飲料などのパッケージデザインにもいろいろな思いやねらいが詰まっていることを改めて感じます。二つ例を挙げてみましょう。
下のファンタのパッケージデザインは、それぞれの果実のイメージカラーである赤紫、橙、緑の彩度が高い色を使っています。明るく元気なイメージです。

ファンタのパッケージデザイン

ファンタのパッケージデザイン(画像出典:ファンタ公式ページ)

下の画像は鎮痛剤のパッケージデザイン例で、鎮静感のある彩度が低い寒色系の色が使われています。

頭痛・鎮痛剤のパッケージ

頭痛・鎮痛剤のパッケージ(画像出典:シオノギヘルスケア ホームページ)

例えば同じ色を使っていても、彩度(色の鮮やかさ)を変えるとイメージはガラリと変わります。このように、身の回りに使われている色は、その商品イメージや調和のために考えられてデザインされています。

住まいのアトリエ 井上一級建築士事務所では、設計に関わる建物の内・外の色彩デザイン等について、これらの見識を生かしてより納得のいくご提案をしていきたいと思います。

 

 

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