住まいの耐震性を知る一つの指標に「新耐震基準」というものがあります。
1981年以降に建てられた住宅(マンション含む)ならこの新耐震基準で建てられており、
大地震でも倒壊・崩壊しないと言われてきました。
ところが、木造在来工法の住宅 約2万6千棟の耐震診断を行ってきた
木耐協(=日本木造住宅耐震補強事業者協同組合)が公表したデータによると、
新耐震基準の建物でもそのうち約85%に耐震性に問題ありとなっているというのです。
これはなかなか衝撃的なことではないでしょうか。
この「新耐震基準」については、先ほども触れましたが、
1981年以降に建てられた住宅が該当します。
1995年の阪神淡路大震災で倒壊・崩壊した住宅を調べたところ、
その多くが1981年以前に建てられた旧耐震基準の住宅だったことから、
「新耐震基準であれば大丈夫」と言われるようになりました。
これはほぼ神話のように、常識として広まっていることだと思います。
でも、よく考えると、1981年に建てられた住宅ももう築37年になります。
それだけの年月が経っていれば、老朽化も進んでいるでしょう。
それでは、安全と考えて良い目安は何なのか? というと、
木造在来工法の住宅については「2000年以降に建てられたもの」となります。
木耐協の報告でも、2000年以降に建てられたものは安全とし、調査を行っておりません。
この調査報告から言えることは、2000年以前に建てられた木造在来工法の住宅の場合は、
例え新耐震基準だとしても、すっかり安心するのではなく、
気になる点があったら耐震診断を受けましょう、ということに尽きると思います。
ちなみに、これは木造在来工法の住宅が該当するものであり、
それ以外の住宅(例えば住宅メーカーが建てた住宅、マンションなど)は該当しません。
住宅メーカーはそれぞれ独自の耐震基準をもって建てていることが多いため、
少し特殊であり、一概にどうのこうの、と言えないのです。
2000年以前に建てられた、大工さんや工務店が建てた木造在来工法の家が該当します。
もし、そのような家に住んでいる方は、このことを気に留めておいていただけたらと思います。
この木耐協が公開したデータについては、詳しく解説した記事をAll aboutで公開しています。
⇒ 中戸住宅購入時は年代を確認!新耐震でも倒壊の危険性 by All about
興味のある方はぜひご覧ください。