海外のキッチンと日本のキッチンの違い

TOTOのシステムキッチン「mitte」

システムキッチンとは

これから家を建てる人の多くがシステムキッチンを採用すると思います。システムキッチンとは、ワークトップ(天板)に継ぎ目がなく、流し台・コンロ・調理台・キッチン収納などが一体となったキッチンを指します。

システムキッチンが確立する前は、シンクやコンロのパーツを組み合わせた「キッチンセット」が主流でした。日本のシステムキッチンは1970年代初期にドイツから輸入されたのが始まりで、その後1970年代後半に国産化が始まりました。そして1980年代にはシステムキッチン市場が確立していきます。

日本のキッチンと海外のキッチンの違い

今では一般的なキッチンスタイルとして定着しているシステムキッチンですが、ドイツをはじめとする海外のキッチンとは大きな違いがあります。

ドイツのキッチンブランド bulthaup(ブルトハウプ)のキッチン(出典:ブルトハウプ)

ドイツのキッチンブランド bulthaup(ブルトハウプ)のキッチン(出典:ブルトハウプ)

その違いとは、日本のキッチンの主流は、各キッチンメーカー(※1)が独自サイズで作った「簡易型システムキッチン」であり、他社の気に入ったパーツ(ビルトイン家電)を自由に取り入れることを前提にしていないのに対し、海外のキッチンは各パーツの規格が統一されており、好きなメーカーを選んで組み込むことができる点です。
(※1)LIXIL、TOTO、クリナップ、タカラスタンダード、パナソニック、トクラスなど

海外では「キッチン機器メーカー」と「キッチン家具メーカー」に分かれており、施主が好きなキッチン機器を選んで、キッチン家具メーカーが全体をデザインしてまとめます。ですので、個性的でインテリアとして美しいキッチンとなります。

日本では基本的にそのキッチンメーカーが指定した機器しかビルトインできません。自由度は海外のキッチンと比べて低いと言えますが、一方で日本ならではと言いますか、使い手のニーズをよく把握して「かゆいところに手が届く」使いやすい製品が多くあります。

また、もちろん日本でもセミオーダーまたはオーダーキッチンという頼み方もでき、こちらはその名の通り、好きなキッチン機器を自由に組み込んで、世界に一つだけのキッチンを作ることもできます。

「システムキッチン」は和製英語

ちなみに、システムキッチンというネーミングは和製英語で、日本でしか通用しません。欧米ではビルトインキッチンと言うそうです。日本では初めてシステムキッチンを作った井上工業(クリナップ)が名づけたとのことです。

キッチンの参考になる本のご紹介

「キッチンとダイニングのレシピ」 キッチン知識監修 黒田秀雄 グラフィック社

「キッチンとダイニングのレシピ」表紙

「キッチンとダイニングのレシピ」表紙

黄色のアンティークな扉が個性的なパリのキッチン(「キッチンとダイニングのレシピ」より)

黄色のアンティークな扉が個性的なパリのキッチン(「キッチンとダイニングのレシピ」より)

好きなパーツをビルトインした海外キッチンの例(出典:「キッチンとダイニングのレシピ」)

好きなパーツをビルトインした海外キッチンの例(出典:「キッチンとダイニングのレシピ」)

海外の個性的、またはスタイリッシュ、美しいキッチンの画像がたくさん掲載されています。
それだけではなく、キッチンの知識も掲載されており、とても参考になります。

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