都市部では近年のマンション価格の高騰を受け、住戸面積はどんどんコンパクトになってきています。それでも、日々の家事を少しでもラクに、時短につながるスペースは確保しておきたいもの。その一つに「家事スペース」があります。
毎日の家事は快適に行えていますか
毎日の家事と言えば、食事作りや洗濯などが思い浮かびます。そして毎日ではないかもしれないけれど、掃除やアイロンがけ、裁縫なども、日々の暮らしに必要な作業です。毎日のルーティンだからこそ、円滑に手早くできるような工夫が欲しいものです。
例えばキッチンの片隅に小さなカウンターがあるだけでもよいと思います。調理の際の作業台として、または煮物をしながらちょっとした繕いものをしたり。また、広くなくてもよいので畳の間があれば洗濯物を畳みやすくなります。
住まい選びの段階で「家事がしやすい」間取りになっているか、もしくは少し手を加えたらそんなスペースがつくれそうかなどをイメージしておくとよいでしょう。
あると便利な作業カウンター
キッチンでもリビングでもよいのですが、下部が空いており椅子に座って作業できるカウンタースペースがあると便利です。時にはノートパソコンを開いて調べものをしたり、ミシンを出して裁縫をしたり、読書や手紙を書くなど、さまざまな使い方ができます。
もし購入した際にカウンターがついていなくても、カウンターを付けられる小さなスペースがあれば後からDIYで造り付けにすることもできます。ぜひ間取り図でチェックしてみてください。
和室は便利な家事スペースになる
古くから日本で親しまれてきた和室はとてもフレキシブルに使えるスペースです。夜は布団を敷いて寝室に、またはお客様が泊まる部屋として、昼間は畳にごろんと寝転んで新聞を読んだり、赤ちゃんが安心してハイハイできるスペースでもあります。そして、洗濯物を畳むスペースとしてももちろん秀逸なスペースです。
冒頭でも述べましたが、近年の都市部のマンションでは価格高騰のため住戸面積を抑える傾向があり、予備室としての和室を準備できる余裕がなくなっています。和室のある間取りはほとんど見かけなくなってしまいましたが、4.5畳や6畳の個室は無理でも「畳スペース」を設けることはできるかもしれません。
もし、たまに親族が一人泊まる程度であれば、3畳程度の畳スペースがあれば布団を敷いて就寝することができます。新築マンションを早めに契約した際にオプションといって間取り変更を受け付けているケースもあるのですが、その際にリビングの一部を3畳程度のミニ畳スペースに変更できる場合もあります(マンションごとに異なる)。
また、住み始めてからリビングのフローリングの一角に置き畳を敷いても良いと思います。置き畳なら不要になったらどければよいので気負わずに設置できそうです。
都市部の新築マンションでは和室に出会えなくても、比較的郊外の立地であったり、中古マンションであれば和室がある間取りも健在です。ぜひ探してみてください。
毎日部屋干しするならランドリースペースが欲しい
近年では共働きが増えて「夜中に洗濯して取り込むのも夜」という世帯も珍しくありません。また花粉症の罹患率が増えていること、春先に大陸からPM2.5や黄砂が飛んでくること、梅雨の時期や真冬に外干しができない、一人暮らしの際の防犯上の観点などから、一年を通して晴れていても部屋干しをする人が増えています。
そんなライフスタイルのご家庭では、洗濯乾燥機付きのユニットバスを採用している間取りがお勧めです。もし電気代が気になるので自然乾燥をしたい場合は、洗濯物を干すスペースがある間取りがベストです。洗面脱衣室が広めにとってあったり、日当たりの良い南向きのリビングの一角に干すスペースがあるとよいですね。
また、住戸面積が広めの場合になりますが、もともとユーティリティが付いている間取りもあります。ユーティリティには、洗濯機や乾燥機が設置できるスペースが確保され、または天井に物干し竿が付いているもの、アイロンがけや洗濯物を畳めるカウンターが付いていたり、衣類の収納スペースもあってこの空間で洗濯が完結できるようになっているものもあります。もし部屋干しがマストのご家庭であれば、ぜひユーティリティの有無なども確認してみてください。
家事スペースのある間取り図をノムコムでご紹介しています
日々のルーティンである家事を少しでもラクにできれば、その分の時間を別な有意義なことに使えますね。ぜひ「家事のしやすさ」という観点でも間取り図のチェックをしてみてください。
今回説明した家事スペースのあるマンションの間取りの例は、連載しているノムコムのサイトでご覧いただけます。もし宜しければ、ぜひこちらのサイトもご覧ください。
▶ マンションでも家事スペースが欲しい!あてられるスペースは?(ノムコム)