浴室事故、転倒、誤嚥を防ぐ、家庭内事故防止のアドバイス/婦人公論12月号(11月15日発売)

家庭内事故を防ごう

本格的な冬の時期を迎え、家庭内でもヒートショックなどの事故対策が必要となってきます。このたび、家庭内事故を防ぐ心得についてのアドバイスが『婦人公論』12月号(11月15日発売)に掲載されました。

『婦人公論』に掲載されました

『婦人公論』は、大正5年(1916年)創刊の長い歴史を持つ月刊女性誌で、主な読者層は50代以上の女性ですが、30~90代まで幅広く愛されている内容となっており、内面・外面とも美しく年を重ねる女性たちのために、豊かな人生のヒントを詰め込んだ雑誌です(註1)

『婦人公論』2024年12月号 表紙

『婦人公論』2024年12月号 表紙

2024年12月号の表紙は原田美枝子さん、「母と娘は近くて遠い」という特集が組まれています。そして第二特集が「入浴、転倒、誤嚥(ごえん)・・・<家庭内事故>を防ごう」となっており、この第二特集のほうでアドバイスをしております。

家庭内事故では交通事故の約4.5倍の人が亡くなっている

安全なはずの家庭において、交通事故の4.5倍以上の死亡事故が発生していることをご存じでしょうか。2023(令和5)年の「人口動態統計」によると、交通事故死者数が3575人だったのに対し、家庭内の事故で亡くなった方が1万6050人。家庭内事故で亡くなる方は交通事故死の約4.5倍となっています。そして交通事故は年とともにその数が減っているのに対し、家庭内事故は変わらず発生しているため、この差は年々開く傾向にあります。

 

”家庭内事故を防ごう” 婦人公論 中表紙

”家庭内事故を防ごう” 婦人公論 中表紙

高齢者の家庭内の事故 トップ3

家庭内の主な不慮の事故による死因(65歳以上)では、多い順に「不慮の溺死」「その他の不慮の窒息」「転倒・転落・墜落」となっています。死因トップの「不慮の溺死」は「浴槽内」での発生が92.27%とほとんどを占めており、冬場の浴槽で起こる「ヒートショック」が主な原因と考えられています。

ヒートショックの予防には
・浴室や脱衣室を暖めておく
・熱いお湯に長時間つかるのはやめましょう(湯温の目安:41度以下)
・お風呂に入る前は家族に一声かけて
などを行ってください。

なぜ高齢者に家庭内事故は多いのか

家庭内事故の発生は高齢者に多くみられます。その原因としては、加齢による心身の変化が関係していると考えられます。足腰の筋力や体のバランス感覚機能の衰え、視力の低下や暑さ寒さへのセンサーの鈍化、集中力や判断力の低下など、とっさな動きができなかったり、火傷してもしばらく気が付かず放置して重症化してしまうなどが見られます。

長く生きていれば、いつかは昨日まで軽々とやっていたことが今日はできなくなったりする時が訪れます。老化は誰にでも訪れるものであり、それを受け入れつつ、対策を取っていくことが大切だと思います(自戒を込めて)。

自宅で命を失わないための8ヶ条 中表紙

自宅で命を失わないための8ヶ条 中表紙

家庭内事故を防ぐ方法

家庭内事故を防ぐ方法は大きくは二つあります。一つは家の中を片付けておくこと。家庭内事故で3番目に多い「転倒・転落・墜落」が最も多く発生しているのが「リビング」です。リビングに出しっぱなしにしてある箱につまづいたり、床に置いたままの新聞紙を踏んで滑って死亡事故につながってしまうのです。まずは危ないものを片付けることから始めましょう。

次は家の中に「寒暖差」を作らないこと。温度のバリアフリーを目指すことはヒートショック対策になります。理想としては、断熱改修を行って家をまるっと暖かくすることですが、費用がかかりますので、まずは窓の内側にもう一枚「内窓」を付けるだけでもだいぶ効果があります。ぜひ検討していただければと思います。

【註】
1.出典:婦人公論.jp https://fujinkoron.jp/list/about

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