最終更新日:2026年3月6日
地震などの災害から家族を守るためには、住宅そのものの安全性と日常の暮らし方の両方が重要です。
本記事では、一級建築士の視点から「住宅防災」という考え方と、住まいの中でできる地震対策について解説します。
このたびの宮城・福島での震度6強の地震により被害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
東日本大震災が発生した3月11日を迎えるにあたり、改めて住まいの防災について考えるきっかけになればと思い、これまで書いてきた住宅防災の記事をまとめました。
この記事でわかること
- 住宅防災とは何か
- 地震に強い住まいを考えるポイント
- 家具転倒や寝室の安全など家庭でできる地震対策
- 住まいの防災に関する関連記事
住宅防災とは何か
住宅防災とは、地震や台風などの災害から家族の命と暮らしを守るために、住まいの安全性と日常の備えの両方を考えることです。
具体的には、建物の耐震性を確認すること、家具の転倒を防ぐこと、寝室の安全を確保することなど、住まいの中でできる対策をあらかじめ行っておくことが重要になります。
また、住宅防災は建物だけの問題ではありません。家具の配置や生活動線、日常の暮らし方なども含めて考えることで、災害時の被害を減らすことができます。
住宅の耐震性を確認する
築40年を超す住宅(1981(昭和56)年5月31日以前に確認申請をした住宅)は、耐震性が十分とは言えない旧耐震基準で建てられており、老朽化も進んでいます。
つくり方によっては今でも十分地震に耐えられる家もありますが、家の状態に少しでも不安がある場合は、早めに耐震診断を受け、必要な耐震補強を行うことが大切です。
ある団体のデータでは、耐震補強にかかる費用の平均は167万円、中央値は140万円とされています。補強内容によって金額は変わりますが、補助金制度を設けている自治体も多くありますので、ぜひ活用を検討してください。
家具の転倒防止対策はできているか

家具類の転倒・落下防止対策の例(画像出典:東京消防庁)
本棚やタンスなどの家具は、突っ張り棒やL型金具など専用の器具を使って固定します。家具転倒防止グッズはホームセンターなどで入手できます。
阪神・淡路大震災後の調査では、住宅内でけがをした人の約半数(46%)が家具などの転倒・落下が原因でした。パソコンやテレビ、冷蔵庫などの家電もチェーンやワイヤー、ベルトなどで固定しておきましょう。
寝室の安全対策
就寝中に地震が発生した場合に備え、寝室の安全対策も重要です。
- 携帯電話・眼鏡・スリッパ・薬の予備などを手の届く場所に置く
- 避難の妨げになる荷物を床に置かない
- タンスなどの家具が倒れる方向で寝ない
- 出入口をふさぐ位置に家具を置かない
また、壁に飾った額縁なども地震の際には凶器になる可能性があります。寝室の家具配置は一度見直しておくと安心です。
地震保険などの備えも確認
被災して家屋が損壊した場合の再建に備え、地震保険などへの加入も検討しておきましょう。火災保険だけでは地震による損害は補償されないため、内容を確認しておくことが大切です。
住宅防災に関する関連記事
地震などの災害から家族を守るためには、住宅そのものの安全性だけでなく、土地のリスクや家具の配置、日常の暮らし方などを総合的に考えることが大切です。
以下の記事でも住宅防災に関するテーマを解説しています。
- 住まいの耐震性の見極め方
- 「いつ建てたか」でわかる戸建て住宅の耐震性
- 液状化マップの見方と調べ方
- 地震対策の家具配置|安全な寝室のつくり方と家具転倒防止のポイント
- フェーズフリーとは?災害に強い家づくり
住宅防災は、耐震性能だけでなく、土地条件や室内環境、日常の暮らし方などさまざまな視点から考えることが重要です。住まいの安全性を見直す際の参考にしていただければ幸いです。
メディア掲載
住宅防災についての解説が
「産経リビング新聞社 リビングむさしの(2022年3月11日号)」に掲載されました。
誌面では、室内の家具転倒防止や寝室の安全対策など、住まいの中で今日からできる防災対策について解説しています。
リビングむさしの(2022年3月11日号)電子版はこちら
筆者は一級建築士として、住宅の耐震性や住まいの安全性をテーマに
記事執筆や監修、一般向けの住宅防災セミナーなどを行っています。
※この記事はタイトルおよび関連記事リンクを整理しました。(更新日:2026年3月6日)











