野村不動産ソリューションズの「nomu.com」サイトで「マンションの間取り研究」という連載を持っています。新しいコラムでは、60㎡台のマンションでも家族4人が快適に暮らせるポイントを紹介しています。
マンションの専有面積は年々小さくなる傾向
近年、都市部の新築マンションでは価格が高騰しています。購入しやすい価格設定にするため、一つ一つの住居の専有面積が小さくなる傾向にあります。不動産経済研究所の2024年4月のプレスリリース(註1)によると、首都圏マンションの専有面積は、2015年までは平均値・中央値ともに70㎡台でしたが、2020年以降は60㎡台と少しずつ小さくなり、2023年の平均値は66.10㎡、中央値は68.42㎡となっています。つまり、新築もしくは比較的新しいマンションを購入する際、60㎡台の間取りの中から選ぶことが増えてくるでしょう。
註1)出典:「首都圏マンション 戸当たり価格と専有面積の平均値と中央値の推移」2024年4月 株式会社不動産経済研究所 PDFはこちら
各部屋の広さだけでなく、収納、動線、可変性をチェック
夫婦+子ども二人の4人家族の場合、60㎡台の住戸はやや手狭に感じるかもしれません。しかし、工夫次第で快適に過ごせる間取りもあります。間取りを見極める際は、リビングダイニング〇〇畳、寝室〇畳といった各部屋の広さだけでなく、「収納スペース」「動線」「可変性」などにも注目してください。
収納スペースが充実していれば、モノを部屋に出しっぱなしにすることが減り、その分スペースを有効活用できます。また「トランクルーム」付きのマンションもおすすめです。共用部分や地下などに設けられた収納庫で、ゴルフバッグやスキー用品、三輪車やベビーカーなど、主に外で使用するものを収納でき、暮らしの余裕を生み出してくれます。
バルコニー、専用庭などの外部空間を有効活用する
バルコニーや専用庭など、個人使用できる共用部分も重要なポイントです。リビングからつながるバルコニーや専用庭があれば、そこにテーブルや椅子を置いて第2のリビングとして活用できます。外部空間をうまく取り込むことで、専有面積の狭さをカバーし、ゆとりある暮らしを実現できます。
このように、60㎡台のマンションでも、収納の工夫や動線の配慮、外部空間の活用など、いくつかのポイントに着目することで、4人家族でも快適に暮らすことができます。間取りを選ぶ際は、専有面積の数字だけにとらわれず、住まいの機能性や使い勝手を総合的に検討することが大切です。
具体的な間取り例や、より詳しい工夫のポイントについては、ノムコムで連載している「60㎡台でも家族4人が快適に暮らせる間取り」をぜひご覧ください。快適な暮らしを実現するためのヒントが満載です。