災害が多い日本での家づくり、家選びにおいて、命と財産を守る「安全安心」という視点は欠かせません。このたび安全安心な家づくりのノウハウをまとめたホワイトペーパーが大和ハウスから公開され、専門家としてアドバイスをさせていただきました。自然災害の種類とリスク、安全安心の家づくりのポイント、必要な防災グッズなど、災害多発時代において役立つ知識が盛り沢山です。内容を一部ご紹介しましょう。
フェーズフリーな防災を目指そう
今回公開されたホワイトペーパー「災害多発時代の、安全安心な家づくりBOOK」のサブタイトルは「~フェーズフリーを意識しよう~」となっています。この「フェーズフリー」という考え方が大地震・大災害への備えとして近年注目されています。
フェーズフリーとは、日常と非常時を区別せず、普段から使っているものやサービスを災害時にも役立てる防災の考え方です。例えばアウトドア用品を災害時に活用することも含まれます。防災のために特別な何かをする、という発想ではないため、取り掛かりやすいのではないでしょうか。
省エネ性が高い家に住むこともフェーズフリー
一見関係がなさそうに感じるかもしれませんが、家を建てる時に省エネ性が高い仕様にしておくこともフェーズフリーに該当します。高断熱・高気密住宅は少ない冷暖房で快適な室内環境を維持できます。近年では住む人の健康にも大きな関わりを持っているという研究結果も公表されています。
省エネ性の高い家に住むことは普段の生活でも大きなメリットを享受するものですが、災害対策という視点でも大きな備えになります。例えば電気やガスなどのインフラがストップして冷暖房ができなくても、家そのものが外気の影響を受けにくい仕様になっているため、比較的安定した室内環境の中で避難生活がおくれます。
また、日ごろから省エネ性の高い住まいで暮らして健康を維持することができていれば、体力が必要な万が一の災害時にも対応することができるでしょう。すなわちレジリエンス(困難をしなやかに乗り越えて回復する力)が備わっている、ということになります。
間取りの工夫も!
フェーズフリーは間取りにも当てはまります。例えば万が一に備え、ある程度の食料品・水などをストックしているご家庭も多いと思いますが、備えておしまいではなく、古いものから順番に消費して新しいものを補充していく「ローリングストック」が推奨されています。ローリングストックがしやすいパントリーをキッチンの近くに設けることも、大切な対策の一つとなります。
以上のように「日常生活で役立つことが、実は災害時も役に立つ」というフェーズフリーの考え方をご自宅に取り入れて万が一の時に備えておくことは、大きな安全安心につながります。
今回アドバイスをさせていただいた大和ハウスのホワイトペーパーにはここでご紹介した以外にも役に立つ防災知識がたくさん掲載されているので、ぜひ参考にご覧ください。
▶こちらに掲載されています⇒ 災害多発時代の、安全安心な家づくりBOOK(大和ハウス)