地震への備えを“自分ごと”に ― セミナー開催の背景
6月8日、柏駅西口ハウジングギャラリーにて「地震・災害に強い住まいづくりセミナー」を開催しました。住宅メーカー各社が立ち並ぶ展示場で、これから家を建てようと考えている方々に向けて、耐震性の基本や災害への備えについてお話ししました。
地震に備える家づくりは、「構造の強さ」だけでなく、「土地選び」や「施工の質」も大きく関わります。今回のセミナーでは、一級建築士としての実務経験と、住宅の耐震性に関する調査・執筆活動の知見をもとに、専門的な情報をできる限りわかりやすくお伝えすることに努めました。
見逃しがちなポイントを中心に ― セミナー内容の一部ご紹介
セミナーでは、地震に強い家の条件、耐震等級や工法の種類(=木造(在来・2×4)やプレハブ工法など)、構造の違い、在宅避難ができる住まいなどを紹介しました。その中で印象的だったのは、参加者の皆さんの情報収集力と関心の高さです。ハザードマップについてはすでにご自身で調べていらっしゃるなど、熱心な方が参加してくださいました。

重ねるハザードマップ。見方などを解説しました。
セミナー中でも特に関心が集まったのは「住宅性能表示制度」と「構造別の耐火性」についての話題です。住宅性能表示制度は2000年に始まった国の制度で、住宅を建てる・購入する人を守るために整備されました。制度の内容はやや専門的ですが、今後も機会を見つけて、わかりやすく伝えていければと思います。また、戸建て住宅の耐火性についても、参加者の方からの経験をお聞きすることができました。
こうした関心の背景には、「家は家族を守るもの」「災害に備えるのは自己責任の時代」という認識の広がりがあると感じました。
情報を「選ぶ力」こそ安心の礎に
構造計算や等級表示といった技術的な情報は、住宅会社に任せきりにするのではなく、住まい手自身が「選ぶ力」をもつことで、安心がぐっと近づきます。今回のセミナーを通して、そうした学びを実感した方も多かったのではないでしょうか。
今後も、住宅の安全性や災害への備えをテーマにしたセミナーやコラムを続けていく予定です。家づくりの第一歩は、「知ること」から始まります。暮らしを守る住まいを一緒に考えていくために、これからも情報発信を続けてまいります。